不思議体験その3

祖父母の家。仏間へと続いている8畳ほどの和室に一人で寝ている。頭もとの障子の向こうは縁側へ続いている廊下。そこをこちらに向かってやってくる誰かの気配がする。「ぁあ、なにか来たな…」そう思って布団の中で息を殺しその気配へ注意を向ける。部屋の前まで来たとき、ふとその気配は消える。次の瞬間、その気配は部屋の中にいて、自分の周りをぐるぐる回り始める。それに無性に腹がたった自分はそいつに向かって怒鳴りつけてやろうとしたのだが、声がでない。それどころか体のどこも動かない。「しまったぁぁぁ!金縛りかぁぁ!」と思い、そう思うとなお腹が立ってきてどうにもこうにもそいつが許せない。もがき苦しんでいると何かが指先にあたる、がむしゃらにそれを掴んだ瞬間に目が覚める。(現実世界で)掴んだものは頭もとの枕だったわけだが、自由になった体で思い切りその枕を気配の主へと叩きつけてやると、その誰かは消えましたとさ。と。
まぁそんな良くある金縛り体験でしたとさ。