バルタザールの遍歴 4冊目

バルタザールの遍歴 (文春文庫)

バルタザールの遍歴 (文春文庫)

「今朝起きたらひどく頭が痛んだ。バルタザールが飲みすぎたのだ」一つの肉体を共有する双子、バルタザールとメルヒオールは、ナチス台頭のウィーンを逃れ、めくるめく享楽と頽廃の道行きを巡る。「国際舞台にも通用する完璧な小説」と審査員を瞠目させ、第3回日本ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー作。

悪くない。あの屈辱的な状況を表現するには的確な比喩だ。

彼女が去った後、私たちはしばらく彼女の言葉を吟味してみた。別に新しい発見はなかった。バルタザールはノートに戻り、私は飲み続けた。

マグダかわいいよマグダ