国境の少女 32冊目
- 作者: ブライアンマギロウェイ,Brian McGilloway,長野きよみ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
また、本書には南北に広がるアイルランドの現状が色濃く反映されている。被害者の少女は国境地帯に捨てられていたわけだが、そこでは南北両方の刑事が集まり、どちらの管轄とするかが話し合われる。他にも「北へ逃げる」といった表現や「漂泊民(トラベラー)」と呼ばれる人々が登場したり「IRA」Irish Republican Armyなどという単語も出てくる。ただ、それはあくまでも登場人物たちにとっての日常であって、多少は物語に影響はしてくるものの、特殊な舞台装置としてアイルランドの現状が利用されるわけではない。外国人のぼくからみれば、なにかの複線になってくるのかと期待してしまうけれど。
例えるなら、環状線が渋滞で…とか、新青梅街道が渋滞で…とか、通勤ラッシュ時の有楽町線は絶対遅延するとか、中央線が人身事故で止まったとか、強風で京葉線が止まったとか、大雨で秩父線が(略とかそいうこと、ってろくな例えが出てこない。まぁそのあたりぼくは勘違いして読み始めてしまったので反省。いや、裏表紙のあらすじ読むと勘違いするって。多分。
しかし、今回最大の不覚は人物名を間違えていたこと。しかもよりによって犯人。「えーー!あんな人物が!意外!」って、そりゃ意外すぎるっつーの。作者もびっくりだわ。