山荘綺談

山荘綺談 (ハヤカワ文庫 NV 18 モダンホラー・セレクション)

山荘綺談 (ハヤカワ文庫 NV 18 モダンホラー・セレクション)

 「山荘」と呼ばれる田舎の洋館。「出る」と噂されるその場所で、心霊研究家の<モンタギュー博士>は不思議な能力を持つと思われる人達を招き共同生活を送りながら、心霊研究を行うことにした。招かれたのは、過去に不思議なポルターガイスト現象を経験した女性<エリーナ>、カード当ての名人<セオドラ>、「山荘」の所有者の甥である<ルーク>の3名。共同生活を送る中で、徐々に不思議な現象が起こり始め…。
 という待ってました!これぞホラァアアアアアアアア!!!な作品。「館」物なんて本格ミステリか本格ホラー、そんなものあるのか知らんが、でしかありえないでしょう。しかも1959年の作品だなんて!
 ワクワクしながら読み進めていく。最初の怪奇現象キタコレ!あっさりだったけどドキドキしたねぇ!怖いね! などと思いながらなおも読み進めていくが、なんだが会話の質がおかしいというか、言葉遊びなのかこれは?と思うような珍妙な会話が続いていく。これがこの時代の流行なのか?と思うよな洒落ているのだか頭が狂っているのだか分からない会話が続く。怪奇現象もそれほど頻発するわけでもなく。それでもなおも期待をもって読み進めていくと、終わった。
なんかやっぱこいつ頭おかしいんじゃねぇの!かなり狂ってるぞ!「大きな声を出して笑った」というような文章が怖くてしょうがない。例えるなら、終電間近の電車で車内はガラガラ。乗っているのは自分と見知らぬ女性の二人きり。突然その女性が何かブツブツ喋りだしたかと思うとヒステリックに叫んだ後狂ったように笑い出した。目つきが尋常じゃない。なにこれどうしよう…
 そんな怖さがあった。
 裏表紙の作品紹介文章を見てみる。あー最後の方の一文見落としてたわ「サイコ・ホラー」って書いてあった…。ああ、正しいよ。そういう意味では超怖かったよ。でもそうじゃないんだが。
 こんなんばっかか今年は…

トム・ロブ・スミスっていつの間にやら新刊出してたのね。続編て…。俺の願いは届かなかったか。