仮名手本忠臣蔵 01冊目

仮名手本忠臣蔵 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 (1))

仮名手本忠臣蔵 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 (1))

 「金太郎」と「忠臣蔵
 これが「名前は知っているけどどんな話か全く知らない」2大勢力だった。この話には本当に縁がなかった。祖母の昔話のレパートリーは「桃太郎」と「浦島太郎」と「鶴の恩返し」で、妹が生まれる時祖父母の家に預けられていた僕は、毎晩祖母にこの3つのうちのどれかを語って聞かせてもらっていた。
 まぁその後絵本で読んだり、なんか突然母親が「月刊 日本の昔話」みたいなのを定期購読しだしたりで日本の昔話にはちょいと詳しい幼少期を過ごしたわけだが、なぜか金太郎の話だけは出会わなかった。「おかっぱ頭で小太りの子供が赤いひし形の布を貼り付けてマサカリで熊を倒す話」で合ってるの?なんであいつは熊と戦うの?昔話で凶器持ってるとかなくね?樵なの?あいつに両親はいるの?彼はどこから来てどこへ行くの?
 そんなこんなで忠臣蔵である。こちらも年末になると良く聞くタイトルだが内容を全く知らない。「武士が大勢で主人のあだ討ちのために敵の屋敷に乗り込んで、敵をやっつけてその後全員で切腹。雪降ってる」というのは知っている。多分これで大体合ってる。ここから連想されるのが何故か新撰組桜田門外の変。多分「武士が大勢」ってのと「冬」からの連想だと思われる。そういうわけで漠然と幕末の話だと思っていましたよええ。
 今回読んだ絵本「仮名手本忠臣蔵」はあれだ、忠臣蔵を題材にした浄瑠璃や歌舞伎の脚本って事で、人物名やらが変わっていて、あら?と思ったがこりゃぁ凄い。ただ事ではない。何百年も前にこんなものを書く作家がいたのかと驚いた。なんといっても、おかると勘平、大星力弥と小浪という2組のカップルの顛末が壮絶すぎて。いやはや参りました。絵本といえ痺れました。いきなり年間ベスト級だよこれまじで。無知って得だなぁ〜。
 最近のエロゲもこれくらいやってほしいな。スクールデイズなんてめじゃねぇよ。触手物でやってくれ。47本の触手で血判状押すの。何の意味もないけどおもむろに。